個人事業主になるには?独立を目指す人が知っておくべき基本手続き&準備ガイド

個人事業主になるには?独立を目指す人が知っておくべき基本手続き&準備ガイド

「個人事業主になり、自分の力で稼ぎたい!」と夢を抱きながら、開業手続きや独立への不安、悩みを持つ方は多いです。個人事業主になるには原則、開業届と個人事業開始申告書を税務署に提出すればOKですが、必要な準備や手続きは他にもあります。

この記事では個人事業主になるための開業資金計画、ビジネスプランの策定、税務知識の習得について、必要な手続きと準備を紹介します。開業届の記入項目や提出方法、青色申告・白色申告の選択方法、個人事業主に必要なクラウド会計ソフトについても詳しく解説。

個人事業主になるための手順をしっかりマスターして、独立への一歩を踏み出しましょう。

個人事業主になるための基礎知識

個人事業主は自分の責任で事業運営する個人を指します。法人とは異なり、事業を始めるために必要な手続きが比較的シンプルで起業のハードルが低いです。事業運営に必要なすべての責任は自分が負うため、個人事業主になる前の入念な準備がとても大切です。

個人事業主のメリット

個人事業主のメリットは以下のとおりです。

  • 事業に関する意思決定の自由度が高くなる
  • 柔軟なワークスタイルが実現できる
  • 働く時間を自分で調整できる
  • 利益が直接自己の収入となる
  • 開業・運営コストが比較的低くなる
  • 税務上の優遇措置(青色申告特別措置など)を利用できる
  • 企業規模に応じた節税対策ができる
  • 事業内容の変更や拡張がしやすくなる
  • プライベートと仕事のバランス調整がしやすくなる
  • 個人の専門性やブランドを生かしたビジネス展開ができる

個人事業主のデメリット

個人事業主のデメリットは以下のとおりです。

  • 安定した収入が保障されなくなる
  • 事業に対する全責任を負う
  • 休暇の取得が困難になることがある
  • 資金調達が難しくなる
  • 企業との競争に直面する可能性が高くなる
  • マーケティングに対する継続的な努力が必要になる
  • 社会保障制度の自己負担が重くなる

個人事業主になる前の準備

成功するためには、開業前の準備が重要です。開業に必要な資金調達方法やビジネスプランの策定、事業の方向性を明確にしていきましょう。

開業資金の計画を立てる

開業資金の計画は事業を成功させるための重要なステップです。適切な資金計画があれば、スムーズに事業のスタートが切れ事業運営の成功確率が高まります。

事業計画に基づいた開業資金の総額を算出する
事業を開始するために必要な初期費用を算出します。備品購入費や事務所の家賃、広告宣伝費、法務費用などが含まれます。
初期投資費用、運転資金の見積もりを行う
事業を継続運営するために必要なランニングコストを算出します。給料や光熱費、広告宣伝費、保険料などが含まれます。
収入の見込みを算出する
事業を開始後に見込まれる収入を計算します。販売予測やサービス提供の見込みなどを考慮して算出しましょう。
資金調達方法を検討する
必要な資金を自己資金でまかなえるか検討します。自己資金でまかなえない場合は、融資や補助金、クラウドファンディング、投資など外部資金を調達する必要があるかを検討します。
資金繰り表を作成し定期的に計画を見直す
資金繰り表は毎月の収入と支出を予測し、資金の不足や過剰を把握するために不可欠です。事業状況に合わせて定期的に事業計画を見直しましょう。

予想外の出来事に備えた資金計画を立てておくとリスク管理に役立ちます中小企業白書のデータによると個人事業主の約40%が1年位内に廃業しています。開業前の資金計画とリスク管理で安定した経営基盤を築きましょう。

ビジネスプランを策定する

ビジネスプランの策定は、個人事業主として成功の道を歩むため非常に重要です。事業の方向性を決定し、取り組むべき具体的なステップを導き出します。ビジネスプランの策定は事業の成功を大きく左右しますので、細心の注意を払って準備を進めましょう。

事業の目的と目標を設定する
なぜ事業を始めるのか、何を達成したいのかを明確にします。どのような事業を展開すれば目標が達成できるのか、個人事業主になる前にしっかりと準備しましょう。
市場調査を行う
事業のターゲットとなる顧客、競合企業、市場規模などを入念に調査します。事業展開の方向性は市場調査で決まります。事業を成功させるために手を抜かず行いましょう。
マーケティング戦略と販売戦略を策定する
顧客獲得、商品開発、価格設定、販売促進などのマーケティング戦略を策定します。具体的な事業戦略はビジネスプラン策定で決まります。実際に行う事業の方向性をしっかり定めましょう。
収益予測とキャッシュフロー予測を作成する
収支予測やキャッシュフロー予測などの財務計画を立てます。初期投資、ランニングコストなどを考慮して事業の財務状況を把握しましょう。
短期・中期・長期のビジネスゴールを設定する
事業状況に合わせて、短期、中期、長期のビジネスゴールを設定します。柔軟性を持たせて計画を修正できるようにしましょう。

市場調査とターゲット顧客を特定する

成功する事業を立ち上げるには、市場状況を正確に把握し、ターゲットとなる顧客を明確に特定します。市場調査は、商品やサービスを提供する市場の潜在的な需要を理解するためのファーストステップです。時間をかけて丁寧に行いましょう。

市場調査をする
事業や提供する商品に関連する市場の調査をします。参入業界の規模や成長リスク、競合他社のシェア、トレンド分析、将来性を見極めましょう。
競合分析を行い同業他社の強みと弱みを評価する
市場調査後は、具体的な競合分析を行います。同業他社がどのような商品やサービスを提供しているかを分析します。強み、弱みを把握し、事業の競争力を考察しましょう。
ターゲット顧客の特徴、購買行動、ニーズを特定する
自身の商品やサービスを必要としているターゲット顧客を特定します。顧客の年齢層・性別・所得層・趣味などの情報を収集し、ターゲットを絞り込みましょう。
顧客が抱える悩みや問題の解決策を明確にする
ターゲット顧客層の絞り込み完了後は、顧客のニーズ、悩み、抱えている問題をあぶり出します。
ターゲット市場でのブランドポジショニングを決定する
ブランドポジショニングを決定するにはSTP分析が効果的です。STP分析は新事業、新商品、新サービスを展開図する際に戦略の土台を考えるための手法です。事業戦略策定時に活用してみましょう。

個人事業主が市場調査、ターゲット顧客を特定するのは時間的に難しい可能性があります。予算に応じてオンラインツールや調査サービス、コンサルタントなどを上手に活用しましょう。

税務知識を身につける

税務知識は個人事業主にとって必須のスキルです。適切な税務知識があれば、法律を守りつつ税務申告を行え、節税のチャンスを逃しません。予算と税務知識の習得状況により、税理士のアドバイスを受けるのも一案です。

個人事業主が知っておきたい税制

個人事業主が収める税金は下記4種類です。

  • 所得税
  • 消費税
  • 住民税
  • 個人事業税

所得税は毎年1月1日から12月31日までの間に得た「所得」に対して課される国税です。所得税は確定申告時に記入必須項目です。所得税の計算方法はやや複雑ですので会計ソフトを適宜使用するといいでしょう

消費税は商品やサービスの消費に対して課される税金です。自身の商品やサービスの販売時に買い手から消費税を預かります。課税事業者に該当し、インボイス(適格請求書)を発行できる場合は、売上時の消費税額から仕入時の消費税を引いた金額の控除が受けられます(仕入税額控除)。

住民税は、毎年1月1日時点に住所事業所を置いている都道府県および市区町村に納める税金です。個人事業主の場合、確定申告後に住民課税決定通知書が送付されます。

個人事業税は法律で定められた業種の事業を行っている個人事業主が納める税金です。個人事業税がかかる業種は都道府県により異なるので、各都道府県のホームページなどでご確認ください。

青色申告と白色申告の違いとは

青色申告と白色申告は、日本の所得税の申告方法に関する区分を表します。

青色申告は個人事業主や自営業者などが行う所得税の申告方法の一つです。一部経費の損金算入や事業の特別控除が受けられるなどのメリットがあります。青色申告で控除を受けるには帳簿の管理や申告書の作成などが必要です。

白色申告は所得が一定の範囲内に収まる個人事業主や自営業者が利用する簡易な申告方法です。経費の算入は簡略化されているため手間が少ないメリットがある一方、一部の特別控除などは受けられません。

個人事業主が認められる必要経費と種類

個人事業主が確定申告で計上できる必要経費は、事業所得の計算に使われるため、事業に関連する支出が必須です。主な必要経費の種類は以下のとおりです。

原材料費商品を製造するために必要な原材料の購入費用
消耗費事務用品や清掃用品などの消耗品の購入費用
人件費従業員の給与や賞与などの支払い
家賃事業用に借りているオフィスや店舗の家賃支払い
広告宣伝費チラシやホームページなど商品やサービスを宣伝するための広告費用
減価償却費事業用資産の購入費用を耐用年数に応じて按分計上
交通費取引先や顧客と打ち合わせ時の交通費
通信費事業用に使用している電話代やインターネット料金
水道光熱費事業用に使用している水道、ガス、電気の使用料
接待交際費顧客との接待や取引先との交際費用
雑費上記以外の事業に関係する費用
個人事業主が認められる必要経費と種類の一覧

個人事業税と法人税の違い

個人事業税と法人税は、個人事業主と法人がそれぞれ納める所得税です。個人事業税と法人税の主な違いは以下の通りです。

税種別納税者課税対象税率赤字繰り越し事業継承
個人事業税個人事業主事業所得約5~10%3年間事業主の死亡等により事業を終了
法人税法人法人所得23.4~30.8%9年間法人存続
個人事業税と法人税の違い一覧

適切な会計ソフトを選ぶ

会計業務は個人事業主にとって重要なポイントです。適切な会計ソフトを選べば日々の収支管理がスムーズになります。無理なく継続利用できる価格の範囲内で、最適な会計ソフトを選びましょう。

予算に合わせた会計ソフトを選定する
無料トライアル期間や月額料金や初期費用、追加機能の有料化など、継続的に使う上での費用を考慮します。無料トライアル期間を上手に活用し、自分に合った会計ソフトを選びましょう。
複式簿記が可能なソフトを選択する
青色申告には複式簿記対応が必須です。
使いやすい管理画面かどうかチェックする
直感的な操作やわかりやすい画面デザインかどうか、無料トライアルで確認しましょう。
クラウドサービスへの対応状況を確認する
他のソフトウェアやクラウドサービスとの連携がスムーズに行えるかどうか、スマホアプリが使えるかどうかも重要です。
将来の事業拡大に対応可能な機能の有無をチェックする
事業が拡大し、個人事業主から法人になった際にも対応可能な機能があるかチェックしましょう。ほとんどの会計ソフトで財務、給与、固定資産管理が可能です。給与計算や勤怠管理、社会保険手続きなど、人事労務に関する幅広い機能を提供している会計ソフトもあります。

個人事業主におすすめの会計ソフトを比較しました。以下を参考にしてください。

会計ソフト名利用料金初期費用無料トライアルスタッフサポート連携サービス
弥生会計初年度無料
2年目以降8,800円/年
無料ありあり
(チャット・メール・電話・ヘルプセンター・保守サポート)
あり(Misoca、スマレジ・Airレジデータの取り込み可)
freee980円/月~無料ありあり
(チャット・メール・電話・ヘルプセンター)
あり(Salesforce、kintoneとのデータ連携可)
マネーフォワード800円/月~無料ありあり
(チャット・メール)
あり(銀行・クレカ・電子マネー・プリペイドと連携可)
個人事業主におすすめの会計ソフト比較表

個人事業主になるための手続き

個人事業主になるためには、いくつかの重要な手続きが必要です。税務署への開業届の提出や国民健康保険や国民年金への加入など、ひとつずつ丁寧に手順を進めましょう。

開業届を提出する

開業届の提出は個人事業主として正式に活動を開始する上で欠かせません。税務上の個人事業主として認められ、税制優遇措置を受けることが可能です。開業届は開業日から1ヶ月以内を目安に、住所地を管轄する税務署に提出しましょう。

開業届に記載する項目は以下のとおりです。

記載項目記載する内容
税務署長名・提出先の税務署名を記載
・所轄の税務署は国税庁のWebサイトで検索可能
提出日事業開始後から1ヶ月以内の日付を記載
納税地住民票のある場所または住んでいる場所を選択
上記以外の住所地事務所を借りている場合は記載(自宅兼オフィスの場合は不要)
氏名/生年月日事業者の氏名・生年月日を記載
個人番号マイナンバーカード、通知カードに記載されている12桁の番号を記載
職業・事業所得を得ている職業を記載
・ライター、ウェブデザイナーなど具体的な職業名を記載
・業種によって個人事業税の税率が変動する可能性あり
屋号・任意で記載(屋号入りの銀行口座を開設したい場合は必須)
・屋号がない場合は空欄でOK
届出の区分開業した場所の住所・氏名を記載
所得の種類・開業を選択し、事業所得、不動産所得、山林所得から選択
・不動産投資メインの場合は「不動産所得」を選択
開業・廃業に伴う届出書の有無・青色申告の場合は「青色申告承認申請書」の「有」を選択し期日内に提出
・課税事業者の場合は「消費税の課税事業者選択届書」の「有」を選択し期日内に提出
給与等の支払いの状況・開業時点で従業員を雇用している場合は「従業員数」「税額有無」「給与支払いを開始する年月日」を記載
・従業員がいない場合は空欄でOK
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の提出の有無提出している場合は「有」を選択
開業届の必要記載事項一覧

開業届以外で、開業時に提出が必要な書類は以下のとおりです。

書類書類の詳細・提出が必要な人
個人事業開始申告書・事業を始めたことを都道府県に報告するために必要
・個人事業開始申告書は「地方税(個人事業税)」、開業届は「国税(所得税)」に関する書類
所得税の青色申告承認申請書・青色申告の承認を受ける場合に必要
・原則、承認を受けようとする年の3月15日まで(ただしその年の1月16日以後に開業した場合は、開業日から2ヶ月以内)に提出
・提出しない場合は自動的に白色申告事業者となる
青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書・青色事業専従者の給与を経費算入したい場合に必要
・算入しようとする年の3月15日まで(ただしその年の1月16日以後に開業した場合や新たに事業専従者を有することになった場合は、その日から2ヶ月以内)に提出
給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書・給与などの支払いを行う事務所を開設した際に必要(「個人事業の開廃業等届出書」を提出する場合を除く)
・事務所開設日から1ヶ月以内に提出
開業届必要書類一覧

» 開業届の書き方

青色申告か白色申告のどちらかを選択する

個人事業主には、青色申告と白色申告の2つの申告方法があります。選択により受けられる税務上の優遇措置が異なるため、どちらを選ぶか慎重に検討しましょう。

青色申告のメリット・デメリット

青色申告のメリットは最大65万円の特別控除が受けられることです。損益通算や赤字の繰り越しが可能で、長期的に税負担を軽減するチャンスがあります。開業した年に確定申告をしたい場合は開業から2ヶ月以内に青色申告承認申請書を提出します。

青色申告のメリットは以下のとおりです。

  • 帳簿記録の義務はあるが税務上の優遇措置を受けられる
  • 最大65万円の青色申告特別控除が受けられる(※条件あり)
  • 損益通算や赤字の繰り越しが受けられる

※①所得の種類が山林所得のみでないこと②不動産所得の場合、事業として行われていると認められること③複式簿記で記帳していること④現金主義でないこと⑤申告時に記帳に基づいて作成した損益計算書と貸借対照表を添付すること⑥確定申告の法定期限を守ること⑦e-Taxでの提出または「優良な電子帳簿」を保存すること 以上の条件が該当する場合に限ります。

青色申告にはメリットがある一方、以下のデメリットもあります。

  • 開業年に確定申告希望時は開業日から2ヶ月以内に「青色申告承認申請書」の提出が必要になる
  • 会計ソフトまたは手書きの帳簿で正確な記録が求められる

白色申告のメリット・デメリット

白色申告の場合、帳簿記録の規定は厳しくないものの優遇措置は限られており、控除額も小さめです。所得が400万円以下の場合は簡易帳簿で対応でき、初年度から自動的に適用されるため特別な申請は不要となります。

白色申告のメリットは以下のとおりです。

  • 帳簿記録の厳格な義務は免除される
  • 申請不要で初年度から自動的に適用される

白色申告にもメリットがある一方、以下のデメリットがあります。

  • 控除額が少なくなる
  • 優遇措置が少なくなる
  • 損益通算や赤字の繰り越しができなくなる

申告方法は事業の規模や帳簿管理の能力に応じて選びましょう。税務上有利な条件を取りたい場合は青色申告、手続きを簡素化したい場合は白色申告が適しています。選んだ申告方法によって国民健康保険や国民年金の加入手続きにも影響するため、慎重に検討しましょう。

国民健康保険と国民年金に加入する

個人事業主として活動を始める際に、国民健康保険と国民年金へ加入手続きを行います。手続きは居住している市区町村役場にて可能です。国民健康保険料は収入に応じて変動します。年金料は固定額ですが、任意で増額する選択肢もあります。開業後は14日以内に加入手続きを行いましょう。

国民健康保険以外の保険加入もできる

個人事業主の方は国民健康保険以外に加入可能な保険があり、業界ごとに設けられている健康保険組合に加入も可能です。ただし健康保険組合により加入条件が異なります。詳細は各保険組合へご確認ください。

業界に特化した国民健康保険組合や団体・協会は以下のとおりです。

個人事業主の税金

個人事業主として活動する際、納税は避けて通れません。税金は事業活動に伴う利益や売上に応じて発生します。税務知識を正しく理解し、適切な申告を行いましょう。

個人事業主の所得税

所得税は1年間の総所得にかかる税金です。所得税は総所得に応じて決まり、累進課税により、所得が多いほど税率も上がります。

所得税は個人の1年間の総所得に対して課される税金
所得税には給与や事業所得、不動産所得、山林所得、譲渡所得、配当所得、雑所得などがあります。さまざまな所得の合計額から各種控除を差し引き、納税金額を計算します。
所得税の税率は累進課税
所得税は所得金額に応じて、5~45%までの税率が適用されます。一定の区分ごとに分けられ、各区分ごとに税率が異なります。低所得者ほど低い税率が適用され、高所得者ほど高い税率が適用される仕組みです。
所得税の申告は毎年2月16日から3月15日まで
所得税の確定申告期限は毎年2月16日から3月15日までです。申告方法はe-Tax、確定申告書作成コーナー、税務署窓口があります。e-Taxはインターネットを通じて確定申告ができる便利な方法です。クラウド会計ソフトを使えば申告書の作成から提出までオンラインで完結できます。
青色申告は税制上の優遇措置を受けられる
青色申告は税制上の優遇措置があります。青色申告特別控除は青色申告承認申請書を提出後、最大65万円の所得控除を受けられます。ただしe-Taxによる申告または電子帳簿保存が必要です。他に赤字の3年繰り越し、家族への給与を経費にできる、少額減価償却資産の特例も受けられることが特徴です。
所得税の計算には各種控除を適用できる
所得税の計算には、課税所得金額を減らすための各種控除が適用可能です。所得控除や特別控除、扶養控除、生命保険控除などの控除を活用すれば節税に繋がります。

控除額や条件は税法や地域によって異なります。不明点は税務署やクラウド会計ソフトサポートセンター、税理士などへの相談がおすすめです。

個人事業主の消費税

消費税とは商品やサービスの購入時に支払う税金で国に納められます。消費税は1年間の売上を計算し、翌年の3月15日までに申告、納税する必要があります

消費税は商品やサービスの販売に対して課される間接税
消費税は商品やサービスの販売に対して課される間接税で、日本では現在10%が一般的な税率として適用されています。商品やサービスを購入する際に消費税が加算され、支払いが行われます。
インボイス(適格請求書)制度導入で個人事業主が受ける影響
インボイス制度導入は個人事業主に大きな影響があります。特に課税売上高1,000万円以下の免税事業者はインボイス制度を正しく理解する必要があるでしょう。

免税事業者の場合、消費税の納付が免除されます。インボイスを交付できない免税事業者は、取引金額の値下げを要求されたり取引を避けられたりする可能性があります。
免税事業者か課税事業者の選択が必要
個人事業主になる際は、免税事業者か課税事業者か選択する必要があります。一度課税事業者になると2年間は免税事業者に戻れないため、慎重な検討が求められるでしょう。

免税事業者は消費税の納税義務がありませんが、取引先により免税事業者との取引を避けられる可能性があります。課税事業者は消費税の納税義務はありますが、仕入税額控除を受けられ、取引先との取引で不利益を生じません。
国は確定申告をe-Taxで行うことを推奨
国は確定申告をe-Tax(電子申告システム)で行うことを推奨しています。確定申告時期は税務署が混雑し、手続き完了まで時間を要しますので、e-Taxが便利です。e-Taxは確定申告期間中であれば24時間可能です。

まとめ

個人事業主になることは、独立して自分の事業を開始したい方にとって重要なステップです。個人事業主になるメリット、デメリットをしっかり理解し、自分に合った納税申告方法を選ぶ必要があります

開業前の準備では開業資金計画やビジネスプランの策定、市場調査の実施など、事前準備がとても大切です。税務知識の取得や適切な会計ソフトの選定も、日々の経理作業をスムーズに進めるために不可欠でしょう。

開業手続きでは、開業届の提出や申告方法の選択、健康保険、国民年金への加入など、法的要件をクリアする必要があります。税金や所得税、消費税のしくみを理解し、独立への一歩を踏み出しましょう。