副業で収入を得ていても、開業届の提出を迷っている方は多いです。この記事では、開業届を提出するメリットとデメリットについて解説します。
具体的な開業届の提出方法についても解説するので、実践の仕方を知りたい人も最後までご覧ください。この記事を読むと、副業と開業届の関係が理解できて、賢く副業を続けるための知識が身につきます。
副業でも開業届の提出が必要になるケース
副業でも開業届の提出が必要なケースは以下のとおりです。
- 事業性のある活動を継続的にしている
- 独立性を持つ副業を行っている
- 事業で経費を計上したい
副業から収入を得る見込みがあって、継続的に活動をしている場合は開業届の提出が必要です。具体的には、副業を正規の事業や、法人として取引したいケースなどが挙げられます。税務上の手続きとして、事業主であることを正式に認められることで、事業に集中できます。
副業で開業届を出すメリット
副業で開業届を出すメリットは以下のとおりです。
- 青色申告ができる
- 法人名義で口座を開設できる
- 赤字を3年間繰り越せる
青色申告ができる
副業で開業届を出す最大のメリットは、青色申告ができることです。うまく活用すれば、税金の負担を軽減できる可能性があります。青色申告は白色申告よりも多くの控除ができ、最大65万円の特別控除が受けられる点が魅力です。
法人名義で口座を開設できる
法人名義で口座を開設すると、個人の資金と事業の資金がわけられるため、会計の透明性も高くなります。企業同士の取引では法人口座が求められるので、取引がスムーズに進むでしょう。副業を行う際も事業拡大によって、法人名義の口座を使用するケースはあります。信頼性が高いため、取引先に良いイメージを与えられます。
赤字を3年間繰り越せる
赤字を3年間繰り越せるのも副業で開業届を出すメリットです。事業を始めて利益が上がるまでには時間がかかることが多いため、損益通算は経済的に大きな助けになります。赤字が出た年の損失を翌年度以降の利益に充てることで、税金の負担を軽減できるからです。
一時的な赤字が続いても、将来的に利益が出た際には税金の支払いを抑えられるので経済的に安心です。赤字繰り越し制度は青色申告者のみ利用できます。赤字の金額に制限はありません。
副業で開業届を提出するデメリット
副業で開業届を提出するデメリットは以下のとおりです。
- 記帳に手間がかかる
- 扶養から外れることがある
記帳に手間がかかる
副業で開業届を提出する際は、日々の取引記録を正確に記載する必要があります。帳簿を整理して、記録する作業が必要なので手間がかかります。日商簿記3級レベルの会計知識も求められるので初心者には難しいです。
会計ソフトを使用すると楽になる部分もありますが、入力ミスや操作ミスを避けるための注意が必要です。記帳作業は、本業や副業の時間を圧迫するため、事業にあてる時間が減ってしまう可能性があります。
扶養から外れることがある
健康保険の被扶養者資格は、特定の条件を満たさなくなると失われるため注意が必要です。具体的には、副業によって年収が一定の額を超える場合や、独立して収入源を持つ場合などが挙げられます。一度扶養を外れると、自分で健康保険に加入して、保険料を支払う必要があるため注意が必要です。
開業届の提出方法
開業届の提出は以下のいずれかで行います。
- 税務署の窓口で提出する
- 郵送で提出する
- e-Taxで提出する
税務署の窓口で提出する
税務署の窓口で提出する場合、営業時間内に行きましょう。地域によって営業時間が異なるので、事前に調査しておくと無駄な行動を避けられます。書類を窓口で提出して、受理されたことを確認しましょう。税務署に行く場合は本人確認書類が必要です。
本人確認書類の提示により手続きが完了したら、税務署職員から開業届の控えを受け取ってください。開業届の控えは、事業で使用する可能性があるからです。
郵送で提出する
開業届は郵送でも提出できます。時間に縛られずに手軽に提出できるのがメリットです。開業届の書類をダウンロードして、記入事項を書きます。記入済みの開業届に必要書類を添付し、封筒に入れて所轄の税務署宛に郵送してください。郵送前に、書類のコピーを取っておきましょう。
e-Taxで提出する
e-Taxを活用すると、開業届を手軽に提出できます。インターネットを介して、税務に関するさまざまな手続きを簡単に行えるため、手間が大幅に省けます。24時間いつでも手続きができるため、忙しい副業をしている人にも非常に便利です。
利用者識別番号と電子証明書が必要なため、事前に取得しておきましょう。e-Taxのウェブサイトからログインし、画面の指示に従って進めるだけで取得できます。開業届も電子形式で作成して、提出できるので便利です。
開業届や副業に関するよくある質問
開業届や副業に関するよくある質問について回答します。
副業が事業とみなされる売上の基準は?
副業が事業とみなされる売上金額について、明確な基準はありません。継続的な副業活動が、事業とみなされる可能性があります。副業の所得が年間20万円を超えた場合は、確定申告が必要です。
住民税や健康保険は開業届を提出すると変わる?
開業届の提出自体は、住民税や健康保険に影響ありません。本業以外の所得が住民税や健康保険に影響します。課税所得に応じて住民税や健康保険が変化するからです。
開業届を提出すると会社にバレる?
自分から話さない限り、副業が会社にバレるリスクは低いです。ただし、副業禁止の規則がある職場の場合、住民税の特別徴収を通じてバレる可能性はあります。会社にバレたくない場合には、確定申告時に普通徴収を選択しましょう。
まとめ
副業を始めるとき、事業性が認められる収入がある場合には、開業届を提出する必要があります。開業届の提出には税制面での優遇があるなど、さまざまなメリットが存在します。しかし、記帳の手間が増加するデメリットもあるので注意が必要です。リスクを正しく把握して、適切な方法で開業届の提出をしましょう。
» 開業届の書き方